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蚊のアレルギー

蚊アレルギーでは、蚊に刺された部位がひどく赤く腫れるなどの症状が起こります。
通常、蚊の唾液中に含まれるたんぱく質に対して、赤みやかゆみといった炎症反応を引き起こしますが、蚊アレルギーのある人ではこの反応が非常に強く、時に高熱やリンパ節が腫れるなどの全身の症状や、潰瘍という皮膚のくぼみができたりすることもあります。

ここでは、蚊にさされた時にほかの人よりも強く腫れたり赤みが出る方の原因や対処方法について説明します。

蚊のアレルギー

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目次

原因:何に反応しているのか?

原因:何に反応しているのか?蚊の唾液には、抗凝固因子・抗炎症性タンパク質・血管拡張物質などの物質が含まれています。これらが皮膚に注入され、アレルギー反応によりかゆみや赤みがでます。

ただし、症状の程度には個人差があり、ひどいと水ぶくれができたり、症状が数日続いたりすることもあります。一方でEBウイルスに感染していると、発熱やリンパ節腫脹などの全身の症状が強く出ることもあります(後ほど解説します)。

症状のタイプ

蚊アレルギーには、大きく分けて3つのタイプがあります。

蚊に刺された直後から症状が出て、数時間程度で症状が治まる「即時型反応」と、少し時間が経ってから(翌日など)症状が出て、数日から1週間程度症状が続く「遅延型反応」、発熱やリンパ節の腫れなどの症状が出る「全身型反応」があります。

① 即時型反応(一般的な蚊刺症)

刺された部分が数時間から1日程度で腫れてかゆみが出ます。

② 過剰型反応

刺された翌日以降に、かゆみや腫れ、発疹、水ぶくれなどの症状が現れます。
症状は数日~数週間続くこともあります。

③ 全身型反応(蚊刺過敏症)

蚊に刺された部位が、半日程度経過してから広い範囲で腫れ上がります。高熱、リンパ節腫脹、全身の倦怠感などを伴うこともあります。「蚊刺過敏症」と呼ばれる病気があり、主に小児(幼児)に見かけることが多いです。またこの蚊刺過敏症は、「EBウイルス」というヘルペスウイルス属のウイルスが関連していると言われています。特に乳幼児や学童期に多く見られます。
蚊にさされた部位の皮膚に、結節(こぶ状のしこり)・潰瘍(凹みや穴が開いた状態)・びらん(浅い傷ができた状態)ができることがあります。

検査方法は?

①血液検査

  • アレルゲン特異的IgE抗体:
    ユスリカ・ヤブカなどを調べることができます。
  • EBウイルスの抗体価やフェリチン:
    蚊刺過敏症との関連があります。高熱やリンパ節腫脹がある場合に調べることがあります。

②皮膚テスト(プリックテスト・スクラッチテスト)

蚊唾液の抽出物を皮膚に塗り、反応を見る検査ですが、日本国内ではほとんど行われていません。

名古屋おもて呼吸器・アレルギー内科クリニック(金山駅前院)では、アレルゲン特異的IgE抗体(ユスリカ・ヤブカ)を調べることができます。また必要に応じてEBウイルスの抗体価も検査を行うことが可能です。

治療

治療まずは刺された部位が炎症を起こして腫れたり、赤くなったりしているので、冷たいタオルや冷水・氷などを当てて冷やし、かゆみをしずめましょう。

薬での治療としては、ステロイドの塗り薬や抗ヒスタミン薬(アレロック・アレグラなど)の内服を使用します。

蚊刺過敏症で強く反応が出る場合は、ステロイド内服を使用することがありますが、専門機関で治療を行った方がよいでしょう。

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参考HP:Mayo Clinic 「Mosquito bites」
https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/mosquito-bites/diagnosis-treatment/drc-20375314

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