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通年性アレルギー(ダニ・ハウスダスト)

一年中アレルギー症状(鼻水・くしゃみ・鼻づまり)がある方は、ダニ・ハウスダストやペット(イヌ・ネコ・ハムスター)・ゴキブリなどにアレルギーがある可能性があります。このような場合、どのように対策をしたらよいのか、どのような治療方法があるのか、検査で調べることができるのか、についてここでは説明したいと思います。

1年中以下の症状がある方は参考にしてください。

  • 鼻が詰まる
  • さらさらの鼻水が出る
  • くしゃみが出る
  • 目がかゆい
  • のどの違和感やかゆみがある

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目次

ダニアレルギー
ハウスダストアレルギー

ダニアレルギーの症状

ダニアレルギー症状は、以下のようなものが代表的です。
鼻炎症状は、季節性ではなく一年中あり(通年性)、寝起き直後に強くなる傾向にあります。また布団や掃除などで症状が悪化します。

  1. 鼻炎症状:鼻水・鼻づまり・くしゃみ
  2. 喘息症状:咳や息苦しさ、喘鳴(ぜんめい)
  3. アトピー性皮膚炎:皮膚のかゆみ・発赤

ダニアレルゲンの特徴

日本において問題となるダニは、ヤケヒョウヒダニとコナヒョウヒダニです。

ダニアレルゲンの特徴

ダニが繁殖しやすい条件は、

  1. 温度 20-30℃
  2. 湿度 70%以上
  3. 産卵に適した場所(布団やマットレスなど)がある

で特に夏場や7~10月にダニ・ハウスダストの量が増えやすくなります。そのため、ダニアレルギーの方は、一年と通して症状があり、特に秋に症状が悪化します。

睡眠中に布団やマットレス、枕などから発生するダニアレルゲンを吸入することで様々な症状を引き起こします。

ダニアレルゲンの特徴

ダニアレルギーの治療

治療方法は以下の3本柱が重要です。

  1. ダニアレルゲンの回避
  2. 薬物療法:対症療法(症状を抑える治療)
  3. 免疫療法:根本治療(体質を改善する治療)

①ダニアレルゲンの回避

ダニアレルゲンは、寝室に多く存在します。また自宅でも寝ている時間が最も長く、寝室でのダニ対策が重要となってきます。

以下に具体的な方法について説明します。

  • 寝具の掃除:
    直接マットレスに掃除機をかけましょう。ダニは布団・枕・マットレスに多く繁殖します。
  • 高密度繊維の防ダニカバーの使用
  • 週1回以上のシーツ・カバーの洗濯(60℃以上推奨)
  • 定期的な布団乾燥機と掃除機の併用
  • 室内の湿度管理:
    湿度は50%以下を目指す
  • カーペット・畳の見直し:
    可能ならフローリングへ変更
  • ぬいぐるみ:
    頻繁に洗濯できないものは避けるか掃除機で吸引

高密度繊維の枕カバー・シーツ・布団カバーは、ほとんどのダニを通過させないため、寝ている間にダニ・ハウスダストを吸入する量を大きく低下させます。

①ダニアレルゲンの回避

②薬物療法(対症療法)

これは、鼻水やくしゃみ、鼻づまりなどの症状を緩和するための治療です。根本的な治療は、免疫療法で行います。

主に使われる薬としては、以下のようなものがあります。

  • 抗ヒスタミン薬(内服):くしゃみ、鼻水、目のかゆみに効果があります。
  • 点鼻ステロイド薬:鼻づまり・鼻水などに非常に有効です。
  • ロイコトリエン拮抗薬(内服):鼻づまりなどの症状に有効です。
  • 点眼薬:目のかゆみなどアレルギー性結膜炎の症状ががある場合に有効です。

③アレルゲン免疫療法(根本治療)

アレルゲンに対して体を徐々に慣れさせ、過剰な免疫反応を抑える治療法です。注射薬(皮下免疫療法)と内服薬(舌下免疫療法)がありますが、当院では舌下免疫療法を行っています。

舌下免疫療法(SLIT)は、「ミティキュア」が保険適用されています。1日1回、舌の下に薬剤をおいて吸収させます。約3~5年の継続が推奨されており、子供にも安全に使用できます。副作用として、初期に副作用(かゆみ、腫れ、咳など)を伴うことがあります。

詳細はこちら

③アレルゲン免疫療法(根本治療)

参考情報:日本アレルギー学会「アレルギー鼻炎に対する舌下免疫療法」 https://www.jsaweb.jp/modules/stwn/index.php?content_id=9

ハウスダストとは

ハウスダストとは、家庭内の空気中や床に存在するチリやくずの集合体のことで、そこに含まれるアレルゲン(アレルギーの原因物質)に対してアレルギー反応を起こす状態をハウスダストアレルギーと呼びます。

そのためハウスダストというのは、ダニ、ペットのフケ、ゴキブリ・ガなどの昆虫、真菌(カビ)などの混合物のことをさします。下記の表にある通り、ハウスダストの中でもダニが最も重要なアレルゲンであり、血液検査で「ハウスダスト」が陽性である割合と「ダニ」が陽性である割合はほぼ同じと言われています。

ハウスダストとは

カビには以下のような種類があります。

  • アルテルナリア
  • アスペルギルス
  • カンジダ

アルテルナリアは、室内の湿気が多い場所(浴室、地下室、結露のある窓周辺など)に増殖し、吸入することで喘息症状が出ることがあります。またくしゃみや鼻水の原因となります。
アスペルギルスは、空気中や土壌、建物の中(特に湿気の多いところ)などに広く存在するカビの一種です。アスペルギルスも喘息や鼻炎の原因となることがあります。

自宅のカビ

ネコや犬を飼育されている場合は、フケや毛が重要なアレルゲンとなります。ネコや犬のアレルゲンは、唾液や汗腺(あせ)の中に存在し、毛づくろいなどをすることで毛やフケに付着し、それらが目に入ったり吸入したりすることで目のかゆみ・くしゃみ・喘息などの症状を引き起こします。

ハウスダストアレルギーの治療

治療方法は以下のようなものがあります。

  1. ハウスダストアレルゲンの回避
  2. ハウスダストアレルゲンの回避

症状の程度によって治療方法を選択します。

①ハウスダストアレルゲンの回避

ペットが原因の場合、以下のような対策方法があります。

ハウスダストアレルゲンの回避

カビが原因の場合、まずは室内の住環境の風通しをよくすることが重要です。場合によっては、業者による室内清掃を行ってもよいでしょう。

ゴキブリが原因の場合は、ベイト剤(餌による昆虫のトラップ)と殺虫剤の組み合わせで環境中のゴキブリアレルゲンが減少することが報告されています。ゴキブリアレルゲンは、落下が早く空気中を浮遊しにくいので、空気清浄機による除去効果は低いと言われています。

②薬物療法(対症療法)

これは、鼻水やくしゃみ、鼻づまりなどの症状を緩和するための治療です。根本的な治療は、免疫療法で行います。

主に使われる薬としては、以下のようなものがあります。

  • 抗ヒスタミン薬(内服):くしゃみ、鼻水、目のかゆみに効果があります。
  • 点鼻ステロイド薬:鼻づまり・鼻水などに非常に有効です。
  • ロイコトリエン拮抗薬(内服):鼻づまりなどの症状に有効です。
  • 点眼薬:目のかゆみなどアレルギー性結膜炎の症状ががある場合に有効です。

残念ながらペット(イヌ・ネコ)やカビに対する舌下免疫療法は国内ではありません。アレルゲンの回避や上記のような対症療法が主体となります。

抗ヒスタミン薬の一覧表

抗ヒスタミン薬の一覧表

院長からのメッセージ

院長からのメッセージ「朝になるとくしゃみや鼻水が止まらない」「年中、鼻炎の症状が続いている」そんなお悩みはありませんか?それは、もしかするとダニやハウスダスト(室内のほこり)によるアレルギー反応かもしれません。

ダニやハウスダストは、私たちの身のまわり、特に寝具・カーペット・カーテンなどに多く存在しており、毎日知らず知らずのうちに吸い込んでしまっています。そのため、特定の季節に限らず一年を通して症状が続くのが特徴です。とくにお子さんの場合、ダニアレルギーが原因で咳喘息やアトピー性皮膚炎が悪化することもあります。

当院では、血液検査や皮膚検査によるアレルギーの特定、生活環境のアドバイス、そして必要に応じた内服・吸入・免疫療法(舌下免疫療法)など、患者さまの状態に合わせた治療を行っています。アレルギーは、うまく対処すれば症状を軽くしたり、根本的な体質改善につなげたりすることもできます。「仕方ない」とあきらめず、まずはご相談ください。快適な毎日を過ごせるよう、スタッフ一同、サポートいたします。

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