【呼吸器内科医が解説】咳が続いて胸が痛い…考えられる原因・受診の目安
咳がひどく続いており、今度は胸が痛くなってきた……こんな症状でお困りの方はけっこういらっしゃいます。ここでは、このような場合に、考えられる原因や受診の目安について解説したいと思います。
<まず知ってほしい結論>
・咳のせいで胸の筋肉や関節が痛むことはよくあります(いわば“筋肉痛”)。
・でも、肺やその周りの膜が炎症を起こしている(胸膜炎)、肺に空気が漏れている(気胸)、血の塊が肺に飛んだ(肺塞栓)など、放置すると危ない病気が隠れていることもあります。
下の「今すぐ受診のサイン」に当てはまるなら、病院を受診したほうがよいでしょう。
・息がしづらい/ゼーゼーして苦しい
・急に片側だけズキッと強い胸の痛み+息切れ(気胸が心配)
・突然の胸の痛み+息切れ+血の混じった痰(肺塞栓が心配)
・高い熱・悪寒・ぐったり+ドロッとした痰(黄色や緑)(肺炎が心配)

<よくある原因>
① 胸の筋肉・関節の痛み(肋軟骨炎など)
咳が続いて胸が痛くなる場合の最も多い原因です。
この場合は、咳をしすぎて胸の前あたりが押すと痛い/動くと痛いといった症状が出ます。咳は多くの場合、風邪や気管支炎が原因となり、のどの痛みや鼻水が先に出て、数日~1-2週間程度で良くなることが多いです。
② 肺炎
発熱が続き、ぐったり・息切れ・濁った痰などの症状が出ます。咳で胸も痛むことあります。肺炎から胸膜炎に進展すると、深呼吸で胸が痛むようになります。
③ 胸の膜の炎症(胸膜炎)
息を吸う・咳をするたびに刺すように痛むのが特徴です。原因が肺炎の場合は、高熱が続きます。結核や肺がんなどが原因の場合は、微熱や寝汗、体重減少、息切れなどの症状が出ます。
④ 気胸(ききょう)
突然の片側胸痛+息苦しさが特徴です。若い痩せ型や喫煙者に多い病気です。また間質性肺炎や肺気腫などの肺に病気を持っている方でも起こります。
⑤ 肺塞栓(はいそくせん)
急な息切れ・胸痛・血痰・動悸などの症状が出ます。脚のむくみや痛みが手がかりです。
<受診するとどんな検査をするの?>
まず痛みがいつから出て来たのか、どこが痛むか、発熱・息苦しさなどの症状があるかなどを問診して、必要に応じて酸素飽和度のチェックや胸部レントゲンやCT検査、血液検査・心電図などを実施します。
・血液中の酸素飽和度(SpO2):息苦しさなどがある場合、酸素不足があるかどうかを確認します。
・胸のレントゲン:肺炎・気胸などがないかチェック。
・血液検査:炎症の程度をみます。
・必要に応じてCT(肺塞栓の確認など)、心電図(心臓の病気を除外)も。

<まとめ>
咳で胸が痛いのはよくあるが、命に関わる病気が隠れていることもあります。息苦しさ・血痰・突然の片側胸痛・高熱が続く場合は要注意で、病院を受診しましょう。危険サインがなければ休む・水分・加湿・短期間の痛み止めで様子見でもよいでしょう。ただし悪化・長引くなら受診をしてください。
<参考情報>
日本呼吸器学会 呼吸器Q&A
Q8. 急に胸が痛くなり良くなりません。心臓や肺の病気でしょうか?
当院の胸の痛みに関するページはこちら
記事作成

名古屋おもて内科・呼吸器内科クリニック
理事長 表紀仁