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インフルエンザ後の肺炎を呼吸器内科医が徹底解説|症状・原因・検査・治療・予防まで

<インフルのあとに起こる肺炎ってなに?>

 

インフルエンザで喉や気管が傷むと、からだの守り(バリア)が弱くなります。そこへ細菌が入りこんで起きる肺炎がいちばん多く、これを「二次性細菌性肺炎」といいます。

まれに、インフルエンザのウイルスそのものが肺を強く傷めて肺炎になることもあります(ウイルス性肺炎)。さらに両方が重なることもあります。

 

インフルエンザの後に起こる細菌性肺炎は、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、インフルエンザ菌(ウイルスではなく菌!)などが上乗せ感染して発症します。このような肺炎の特徴としては、インフルエンザ感染による熱が数日続いた後、いったん解熱・軽快した数日後に再度発熱し、汚い痰が増加するような症状が見られます。

 

<どういうサインに注意すればいい?>

 

 

「いったん良くなったのに、また悪くなる」が合図です。具体的には、

 

・解熱後にまた高い熱が出る(ぶり返す)

・黄色や緑のドロッとした痰が増える

・息切れ・ゼーゼー・胸の痛みが強くなる

・指先の酸素(SpO₂)が下がる/脈が早い/ぐったりする

 

このような症状がインフルエンザにかかったあとに見られる場合は、病院に受診したほうがよいでしょう。

 

<どのような検査で診断する?>

肺炎がある場合、聴診をするとぽこぽことした音が息を吸う時に聞こえます(水泡音と言います)。

疑わしい場合は、レントゲンやCTで肺に影がないかをチェックします。レントゲンやCTでは、肺炎がある部分は白く移ります。また痰や血液をとって、どんな菌が原因かを調べることもあります。

 

 

<治療は?>

 

インフルエンザ後の細菌性肺炎では、抗菌薬(抗生物質)を投与します。まずは5~7日間を目安に投与を行います。インフルエンザが発症してから48時間以内であれば抗インフルエンザ薬(タミフルやイナビルなど)を投与することもあります。

 

軽い方なら数日で楽になり、5〜7日ほどで抗生物質をやめられることが多いです。重い方、膿がたまった方、体の弱い方はもっと長くかかります。

 

酸素飽和度が低い、食事がほとんど取れない、ご高齢の方の場合は、入院して治療をお勧め致します。

 

肺炎は予防が大事です。インフルエンザワクチンを毎シーズン打つと、重症化や入院のリスクが下がります。また肺炎球菌ワクチンは打つと、高齢の方や呼吸器に持病のある方ではとくに有効と言われています。

 

<よくある質問(Q&A)>

 

Q:インフルのあと、何日目に注意したらよいですか?

A:どのタイミングでも起こりえますが、とくに3〜7日目にぶり返すケースは要注意です。

 

Q:レントゲンだけでわかる?

A:目安にはなりますが、血液・痰の検査を合わせて原因をしぼります。重い場合や判断が難しいときはCTも使います。

 

Q:他の人にうつりますか?

A:肺炎自体より、元のインフルエンザが感染源になります。

 

<当院からのメッセージ>

インフルエンザのあとに「また熱が出てきた」「息切れが強い」「痰が増えて色が濃い」と感じたら、我慢せず早めにご相談ください。肺炎は早期発見・早期治療が何より大切です。

当院では、レントゲンや血液検査、必要に応じて微生物検査を組み合わせ、原因を見極めながら過不足のない治療を心がけています。検査や治療の理由を丁寧に説明し、納得のいく医療をご提供します。

季節の変わり目は体調を崩しやすい時期です。どうか無理をせず、気になるサインを見逃さないでください。

 

 

肺炎のより詳しい解説記事はこちら

もしくはこちら

 

 

 

<参考資料>

日本呼吸器学会雑誌第45巻第9号 「インフルエンザに混合感染した細菌性肺炎の検討」

https://is.jrs.or.jp/quicklink/journal/nopass_pdf/045090667j.pdf

JAMA. 2013 Jan 16;309(3):275-82. Bacterial Coinfection in Influenza. A Grand Rounds Review

https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/1557719

 

 

記事作成:

名古屋おもて内科・呼吸器内科クリニック

呼吸器内科専門医・医学博士  表紀仁