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ツロブテロールテープ(ホクナリンテープ)ってどんな薬?呼吸器内科医が解説

呼吸器・咳

ツロブテロールテープ(一般名:ツロブテロール、商品名:ホクナリンテープ)は、気管支を広げて呼吸を楽にする「β2刺激薬」のはり薬(貼付薬)です。小児喘息で使用されることが多い薬ですが、成人でも特に吸入がうまくできない高齢者の方などで喘息や肺気腫・COPDの方の症状改善に用いることがあります。

 

ただし基本的には気管支喘息や肺気腫・COPDの方の治療では、吸入薬のβ2刺激薬を優先した方がよいです。これは、正しく吸入薬を使用できれば吸入薬のほうが効果が高く、副作用も少ないからです。

 

本記事では、呼吸器内科専門医の立場からツロブテロールテープの効果、適応、注意点、副作用、貼る場所や使い方を詳しく解説します。

 

<ツロブテロールテープとは?>

 

ツロブテロールテープは、皮膚からゆっくり薬剤が吸収され、おだやかに効果が持続する気管支拡張薬です。

 

 主な効果は以下の通りです。

・気管支を広げて呼吸を楽にする

・喘息発作の予防

・夜間や早朝の咳を抑える

・小児喘息の補助的治療として使用

・成人の喘息・咳喘息・COPDの一時的な症状改善

 

< ツロブテロールテープのメリット>

 

① 貼るだけで使える

吸入器のように「正しい吸入手技」が不要で、高齢者の方や小児にも使いやすいのが特徴です。

 

② 作用が長く穏やかに続く

貼付後ゆっくり薬が吸収され、約24時間、持続的に症状を抑える効果があります。

 

< ツロブテロールテープのデメリット>

 

① 吸入薬よりも効果が劣る

吸入薬を正しく使用できている場合は、ツロブテロールの効果のほうが劣る可能性があります。下記はβ2刺激薬の有効性の違い(固有活性)ですが、吸入薬で使用されるβ2刺激薬の方が有効性が高いことがわかります。

 

 

② 即効性はない

発作が起きた時に貼ってもすぐ効きません。急な息苦しさには吸入SABA(メプチン・サルタノール)が必要。

 

③ 年齢に応じた適切な用量調整が必要

特に小児では 体重に合わせた用量調整が必要です。多すぎると副作用が出やすくなります。

 

④ 心臓疾患のある方は注意

β2刺激薬のため、動悸や手の震え、不整脈などが出ることがあります。

 

⑤ 貼る場所にかぶれが出ることがある

日ごとに貼る位置を変えて皮膚トラブルを予防しましょう。

 

⑥ 他のβ刺激薬との併用に注意

吸入β刺激薬と併用すると副作用が増えることがあります。

 

<貼る場所はどこがいい?>

背中(推奨)や上腕、胸部、腹部、太ももがよいです。汗のかきにくい部位に貼ると剥がれにくいです。

 

入浴後・就寝前に肌をよく乾かしましょう。また貼る位置を日替わりでローテーションするとよいです。剥がれたら新しいものを貼らず、次の予定時間まで待ったほうが望ましいでしょう。

 

 

喘息に関する記事はこちら

 

<参考文献>

小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2023

 

久米裕昭ほか:アレルギー・免疫. 16:1604-1614,2009

 

 

記事作成:

名古屋おもて内科・呼吸器内科クリニック

呼吸器内科専門医・医学博士 表紀仁