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マイコプラズマ肺炎ってなに?症状・潜伏期間・検査・治療・登校基準を呼吸器内科医がやさしく解説

呼吸器・咳

マイコプラズマ肺炎は、長引く空咳(からせき)と発熱が特徴の肺の感染症です。原因はマイコプラズマという非常に小さな細菌で、咳やくしゃみなどのしぶきによって人から人へ感染します。初期には風邪の症状と見分けがつかないのですが、咳がひどく、肺炎になると熱が続きます。

 

ここではマイコプラズマ肺炎について、症状・潜伏期間・検査・治療・登校基準などを解説したいと思います。

 

<どんな症状がでる?>

 

主な症状としては、発熱、のどの痛み、乾いたせき(痰が少ない)などがあります。肺炎になると熱が4-5日以上続きます。せきは熱が下がってからも数週間続くことがあります。

 

マイコプラズマ肺炎になる方は、学童〜思春期の子供に多いと言われています。日本の直近データでは5~9歳が最も多く(約43%)、次いで10~19歳となっています。ただし若年成人でもけっこう見られます。

 

 

国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト「マイコプラズマ肺炎の発生状況について」

https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ma/mycoplasma-pneumoniae/010/20240919/12869-mycoplasma-2409.html

 

 

<なぜマイコプラズマ肺炎になるの?>

 

咳やくしゃみのしぶき(飛まつ)を吸い込むことによって感染します。他にも手すり・ドアノブなどに触れた手で、自分の顔などを触って感染する場合(接触感染)もあります。潜伏期間はおよそ2〜3週間と言われています。

 

<どのように診断する?>

 

聴診すると肺にぽこぽことした音が聞こえる場合もありますが、マイコプラズマ肺炎では聴診の音があまり目立たないことがしばしばあると言われています。

 

検査としては、まず肺炎かどうかは胸部レントゲンを実施して診断します。レントゲンでは、肺炎の部分が白く移ります(浸潤影)。

 



肺炎の原因菌としてマイコプラズマを疑う場合は、マイコプラズマ抗原キット(のどのぬぐい液)でチェックします。検査結果は15分程度で判明します。他にも血液検査でマイコプラズマ抗体を調べる方法もあります(数日~1週間程度を時間を必要とします)。

他にはPCR検査があります。のどや鼻、痰にいる菌の遺伝子を直接検出する検査で、数日かかります。検査の感度や特異度が高いことが特徴です。

名古屋おもて呼吸器・アレルギー内科クリニックでは、マイコプラズマ抗原キットで即時検査し即日結果説明を行っています。

 

 

 

<治療方法>

 

マイコプラズマ肺炎は抗生物質で治療します。マクロライド系抗生物質(アジスロマイシンやクラリスロマイシン)を主に使用します。治療期間は、概ね5〜7日程度(アジスロマイシンは3日間のみ)です。

 

効きにくい場合や副作用などにより継続が困難な場合は、ドキシサイクリン(テトラサイクリン系)やキノロン系の抗生物質(ジェニナックやラスビックなど)に切り替えます。テトラサイクリン系は小児(8~10歳以下)では通常使いません(歯の着色などの理由)。

 

近年はマクロライド系の抗生物質が効きにくい耐性菌が多くなってきています。2019~2020年のデータでは、耐性菌の割合が20~30%と報告されています。そのため、経過を見ながら治療薬を調整することが必要です。

 

 

<いつから登校・登園・出勤はできる?>

 

マイコプラズマによる感染症では、発症初期〜治療前はうつしやすいです。有効な抗生物質を始めて2〜3日で感染力は弱まると考えられています。

 

学校の登校、保育園への登園に関しては、特に決まりはありませんが、熱や咳が治まってきたら登校・登園可能です。(学校保健安全法では出席停止期間の明確な定めはありません)出勤に関しても同様で、症状が改善したら出勤可能です。

 

 

<クリニックからのメッセージ>

 

マイコプラズマ肺炎は、「乾いたせき」が長く続くのが特徴です。多くは適切なお薬で良くなりますが、放っておくと体力を消耗し、学校やお仕事にも影響します。当院では症状と経過を丁寧に伺い、必要に応じてレントゲンや抗原検査を組み合わせ、最適なお薬を選びます。どうぞ無理をせず、早めにご相談ください。

 

肺炎の記事はこちら

 

<参考資料>

日本呼吸器学会「マイコプラズマ感染症(マイコプラズマ肺炎)急増にあたり、その対策について」https://www.jrs.or.jp/activities/guidelines/statement/20241022134500.html

 

 

記事作成

名古屋おもて内科・呼吸器内科クリニック

呼吸器内科専門医・医学博士  表 紀仁